なんとも間抜けな光景が広がっていた。

いや、静止画だとなかなかの怪奇現象なので、間抜けな映像と言ったほうがいいかもしれない。人里に直径が人の身長はあろうかという黒い球体が現れていた。いや、それには陰影が無いので、球体と言っていいのかすら危うい。ただ、そこには円形の闇があった。そして、その闇がふらふらと人里の中を動いていた。
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